この記事では「30代からでも保育士を目指せるのか不安」って方向けに、保育士までの道のり、給与・待遇、業界の今後、悩み・やりがいについてまとめています。
私は13年以上求人営業をしていますが、ぶっちゃけ保育士はず~っと人手不足です。やる気+適正があれば、保育士として働く職場が見つからない!ってことは少ないと思います。
今保育士になろうか迷っている人は、ぜひ判断材料として参考にしていただければと思います。
どうやって保育士になるのか?
保育士とは…
一般に保育所など児童福祉施設において子供の保育を行う者。日本の国家資格の一つである。 学歴によっては保育士と幼稚園教諭免許状の、双方の国家資格・教育職員免許状を取得することも可能である。保育士の単一資格者は後にオプションとして、幼稚園教諭免許状の教育職員免許状取得を目指す者も多い。-ウィキペディア-
そう、「保育士」は国家資格なんです。
つまり、保育士として働くためには、保育士の資格取得が必要になります。
ちょっとややこしいのは、幼稚園の先生とは違うって部分です。
働く場所も、保育園・幼稚園それぞれ異なりますので、こちらの記事も見てみてください。
保育士免許の2つの取得方法
保育士免許を取得する方法は2つです。
①学校を卒業する ②試験に合格する
①学校を卒業する
厚生労働省に指定された養成施設(大学・短大・専門学校)を卒業すればOK。
試験は受けなくても大丈夫です。
短大・専門学校では2年間、より深く学びたい人は3年・4年制の短大や大学へ通って資格を得ることもできます。
ちなみに学費は専門学校で安くても初年度29万円〜、大学は67万円〜くらいかかります。
②試験に合格する
保育士国家試験を受験し、合格することで資格を得ることができます。
・年に2回受験できる。筆記4月・実技7月、筆記10月・実技12月。
・合格率10~20%の難関。
全国で試験は開催されますが、都道府県により実施種目や時期が異なりますので、一般社団法人全国保育士養成協議会のホームページで確認しておきましょう。
毎年4、5万人が受験していますが、合格率は10〜20%とかなりの難関となっております。
筆記試験と実技試験があり、筆記試験の8科目を全て合格しないと実技試験には進めません。
合格した科目は3年間有効となるので、1回目に不合格になっても、3年間の間に再度受験して合格を目指している方も多いです。
ちなみにユーキャンのサイトによると、保育士の平均受講期間は12ヶ月となっています。
また、実技試験は楽器を使った演奏もあるので、楽器が未経験の方はそちらもしっかりと練習していく必要があります。動画も検索すれば出てくるので、参考にしてみてください。
30代未経験でも保育士になれます
このサイトを見てる人は、社会人になってから保育士に転職を考えていたり、免許はあるものの、結婚・出産などにより、実務経験を積めなかった人が見てるかと思います。
結論から言えば、年齢関係なく保育士を目指すことは可能です!
その大きな要因としては、保育士の人手不足があります。
高い求人倍率
2021年10月時点の全国の保育士の求人倍率は2.66倍となっており、全職種平均の1.16倍を大きく上回っています。※参考厚生労働省HP
都道府県毎の数値を見ても、1.16倍を下回っている地域はなく、どの地域でも人手不足になっています。
保育士の資格を取得することで、他の職種よりも仕事探しに関しては苦労しなさそうです。
無資格でも働ける
正式な「保育士」としてではなく、無資格でも「保育補助」という職種もあります。
これから免許を取得する時間・お金を捻出するのが難しければ、「保育補助」などで仕事を探してみるの手です。
憧れを仕事にするので、いきなり保育士を目指すのではなく、保育補助として現場で働きながら目指すことも可能です。
人手不足の保育園では、実務経験が無い保育士よりも、子育て経験がある無資格の方の方が重宝されるケースもあります。
いずれにしても、「保育士になりたいのか」「保育園で働きたいのか」「子どもに関わる仕事をしたいのか」この辺りを明確にしておく必要はあります。
その辺りを踏まえて、求人を検索してみてください。
保育関係の求人サイト
ママの求人
イクシィ(IXYEE)
はじめての学童指導員
保育士の給料は低い?
保育士不足の背景には給料面の低さが挙げられます。具体的にどれくらいなのか、相場をまとめました。
保育士の給与相場
日本国民の所得の中央値は442万程と言われるので、決して高収入とは言えない数字となっています。
公立と私立の給料の違い
保育園には公立と私立があり、簡単に言うと公立=国が運営、私立=民営です。
少子高齢化や公立の民営化が進み、割合は私立が多いです。
公立保育園
公立の保育所で働いている保育士は、公務員となります。
つまり、給与水準や待遇は国家公務員と同じになるため、平均としては私立よりも給与水準が高く、安定していると言えます。保育士よりも高くなる傾向があります。
しかし公立以外は私立=民間となるため、国ではなく運営元が給与水準を決めます。
その給与水準は運営元の収益によって変わります。
私立保育園
私立は民営となるため、給与水準は運営元が決めます。
一般の企業であれば、事業で得た利益から配分されますが、保育園の場合利益の源泉が一般企業とは異なります。
・公費…児童の人数などによって国から支払われるお金。
・保育料…保護者から支払われるお金。
上記の金額は固定なので、一般企業のように、売上を増やすために商品を増やしたり付加価値を加えて金額を上げることは難しく、結果的に売上が頭打ちになりやすいです。
このような増やすことが難しい収益モデルから、必然的に給与水準を高くすることが難しいのです
保育士の給料の上げ方
保育士での給料のあげ方は、キャリアアップ・処遇改善等加算IIなどがあります。
キャリアアッププラン
保育士としての収入を上げるためには、以下のようにキャリアアップをしていくことがあります。
・クラスの担任
・クラス業務責任者
・主任
・園長
もちろん規模によっては他にも様々なポストがありますが、このようにステップUPしていくことが一般的です。
ですが、それぞれのポストは限られてた席数しか用意されていないので、そのポストにつくのは非常に難しくなります。
保育士処遇改善等加算II
毎月の給料に5,000円〜40,000円が加算されます。
賃金に含まれている保育士処遇改善等加算Ⅰとは別に、経験値や技能がある職員に加算される手当です。
保育士の仕事内容
保育士の仕事は単純に児童を預かって面倒を見るだけではありません。
生活全般の世話をしながら、生活習慣・社会性などを身につけさせ、心身の成長を促進させるという重要な仕事を担っています。
仕事の概要
保育士の1日のスケジュール
朝…出勤した後は開園の準備をして児童の登園を待ちます。児童が登園したら、朝の会や出席確認、体操・自由時間などプログラムに従って活動します。
昼…手洗いうがいを促しつつ、お昼ご飯の準備をします。準備が出来次第児童と一緒にご飯を食べます。
その後はお昼寝の時間になるので、絵本を読み聞かせをして寝かしつけをします。
児童が寝ている間に会議や連絡帳への記入などを行います。
夕…児童が起きたら引き続き遊ばせて、保護者が迎えに来たら連絡帳を渡して児童の様子の共有などをします。
その後、園の片付け・掃除・戸締りをして終了になります。
就業時間はどのくらい?
1日8時間が基本になり、早番・中番・遅番といったシフトを組んでいる事が多いです。
◉早番:7時30分~16時30分頃まで
◉中番:8時30分~17時30分頃まで
◉遅番:9時30分~子どもが帰るまで
休日は土日祝が基本ですが、園によっては土日を預かっている所もあります。
仕事のやりがい・魅力
待遇が平均よりも低いとしても、たくさんの保育士さんが全国で活躍しています。その仕事の魅力はどんなことがあるのでしょうか?
子どもの成長を目の前で感じられる
仕事で辛い事があったとしても、「先生!」と笑顔で話しかけられるだけで元気が出るのもこの仕事の魅力。
0歳から預かることもあり、初めて歩ける・しゃべるといったことにも立ち会うことができ、そんな子どもが卒園を迎えることで深い感動を味わう事ができます。
保護者との信頼関係を築く事ができる
初めての育児などで悩みを多く抱える保護にとって、保育士は頼れるプロのアドバイザーにもなります。
そんな保護者の悩みをしっかりと聞いてアドバイスを送る事で、存在意義を実感することもできます。
社会貢献をしている実感を得られる
社会問題となっている待機児童問題や、働かざるを得ない保護者の支援といった社会貢献を実感できる仕事です。
悩み・つらいこと
保育士は離職が多い職種としても知られていますが、どんな悩みやつらいことがあるのでしょうか?
人間関係
最近でこそ男性が増えてきましたが、まだ9割が女性の職場と言われる保育士の現場。
女性ならではの人間関係の悩みや、保護者からの要求やクレームなどによる悩みは多いです。
人手不足
保育士の人員が不足しており、待機児童も社会問題化しています。
そのため、現場でも保育士の抱える仕事量や勤務時間なども負担がかかっています。
35歳未経験からの転職はあり?なし?
結論としては「アリ」です。
それぞれのライフプランや状況によっても変わりますが、「やりたい」って気持ちがあれば、受け入れてもられる場所は比較的多いのが現状です。
とはいえ、保育士の資格取得のハードルは非常に高く、苦労して取得したとしても、高い収入は見込めません。
「保育」という仕事を絶対にやりたい、夢を叶えたいってことに価値を見出せる人であれば、長く続けることもできるでしょう。
また、「保育士」としてではなく、別の職種でも保育業界に関わることも可能です。
特に新規開園を控えている拡大中の保育園や、様々な業態で参入してくる大手企業などで募集中の職種を探して転職することもいいでしょう。
キャリアに迷ったら、転職エージェントに相談して、自分の希望が通りそうな仕事を見つけてもらうのも手なので、一度登録だけでもしてみてください。
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